メニューの使用法

Apple メニュー

Apple メニューは通常の AP と同様です。

File メニュー

New, Open..., Close, Echo to File..., Highest Priority, Save Environment..., Quit の項目があります。

New は新しいウィンドウを開いて CP/M プログラムの実行を可能にします。CP/M エミュレータでは、プログラムはウィンドウ毎に独立に実行されます。この単位を CP/M エミュレータではプロセスと呼んでいますが、この用語は一般的ではありません。通常の用語では、仮想端末と呼ばれるものに近いものです。

Open... は、CP/M エミュレータで作成したファイルを選択することで、選択したファイルを含むフォルダをカレントドライブとする、新規のウィンドウを開きます。もし、ファイルが .COM ファイルであった場合は、自動的にファイル名が入力されます。これは、マルチファインダでのドキュメントのダブルクリックに応答するために設けたものです。直接選択することは(エラーにはなりませんが)推奨しません。

Close は最前面のウィンドウを閉じます。若し最前面のウィンドウでプログラムが実行中であった場合は、そのプログラムは強制終了されます。

Echo to File... は、画面 (CON: デバイス) への出力をそのままファイルに書きこみます。このファイルのファイル名は必ずしも CP/M の規約に従う必要はありませんが、結果的に CP/M のテキスト形式になりますので、CP/M プログラムから読めるファイル名のほうが良いでしょう。

Highest Priority は、最前面のプロセスの優先度を最大にします。通常、最前面のプロセスは CPU を 50% 程度使用する優先度に設定されますが、優先度を最大に上げると CPU を 100% 使用する優先度になります。(ただし、キー入力待ちの場合には CPU を消費しません) このコマンドはトグル動作します。

Save Environment... は、現在のエミュレータの環境をファイルにセーブします。セーブされるものは、各ドライブの情報、プロセスの優先度、フォント情報、ウィンドウの位置等です。さらにウィンドウ毎に自動起動コマンドを登録できます。自動起動コマンドはそのままキー入力の代わりにプログラムに渡されます。つまり、ウィンドウが開いた直後にその文字列をキー入力したのと同じになります。(リターンキーも登録できます)

Quit は先ほど述べたように CP/M エミュレータを終了します。

Edit メニュー

Copy, Paste to CON: , Copy then Paste の項目があります。

Copy は、画面上の範囲選択上の文字をクリップボードにコピーします。画面上の範囲を選択するには、マウスを使用します。

Paste to CON: は、クリップボードの内容をキーボード (CON: デバイス) に入力します。入力中の状態で再度選択すると、入力が中止されます。

Copy then Paste は、現在選択中の画面表示されているテキストを CON: デバイスにペーストします。つまり、Copy と Paste の2つのメニューを順番に選択したのと同じです。

Window メニュー

Monaco, Hakata, CRT Lock, Hide Window 等の項目があります。

MonacoHakata は画面表示に使用するフォントを指定します。(Hakata フォントは半角かな文字が表示できます。これは、Ariza 氏の御好意により使用させていただいているものです)

CRT Lock は、そのウィンドウで実行中のプログラムを一時中断することによって、CRT をロックします。再度選択すると、ロックを解除します。

Hide Window は、最前面のウィンドウを隠します。つまり、プロセスはそのままで、画面表示のみを消去します。ウィンドウ内でプログラムが実行中だった場合は、実行は継続します。ウィンドウを再表示するためには、Window メニューの中の対応する項目を選択します。

Hide Window の下に並んでいる項目は、ウィンドウ切り換え用です。この項目を選択することによって、ダイレクトにウィンドウを切り換えることができます。

Debug メニュー

Abort, Dump Core..., Dump Registers... があります。

Abort は、最前面のウィンドウで実行中のプログラムを強制終了します。

Dump Core... は、最前面のウィンドウでのプロセスのメモリ内容をそのままファイルに書きこみます。まず、最初のダイアログで書きこむ先頭アドレスと最後のアドレスを指定します。それから、通常のファイル名入力ダイアログで書きこむファイル名を指定します。(このファイルは必ずしも CP/M のファイル名の規約にしたがう必要はありません) Core とは、メモリを表す言葉です。CP/M では実はこのような大時代な言葉は使用されませんが、他の OS では結構使用されているようです。(もちろん、この名称は遊びです)

Dump Registers... は、現在実行中の仮想 CPU の全レジスタの値を 16 進ダンプします。デバッグ等に使用してください。また、レジスタダンプのダイアログ中からメモリダンプが行えます。

キーボードショートカット

現在サポートしているキーボードショートカットは、以下の通りです。

 command + TAB		ウィンドウの切り換え
 command + shift + X	プロセス優先順位を一時的に最大にする(トグル動作)
 command + shift + W	クローズ (File メニューの Close と同じ)
 command + shift + N	プロセスの生成 (File メニューの New と同じ)
 command + shift + A	アボート (Debug メニューの Abort と同じ)
 command + shift + Q	クイット (File メニューの Quit と同じ)
この内、command + TAB と command + shift + X については、対応するメニューがありません。

ウィンドウ操作

ウィンドウのクローズボックスをクリックすると File メニューの Close と同じ働きをします。このとき、command キーを押しながらクリックすると、Window メニューの Hide Window と同じ働きをします。


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